長野県戸隠で暮らす栗原健さんによる、季節の花と地域の魅力を伝える「今日の一輪」。今回紹介していただく可憐な花に、栗原さんが憧れる理由とは。 キク科シオン属の多年草(*1)である宿根アスターは、暑さや寒さに強いこと、花期が長いことが特徴です。また、摘芯や切り戻しをすることで、枝分かれをしてたくさん花を咲かせます。その様子が孔雀のしっぽに例えられ「クジャクソウ」と呼ばれています。 「飾り気のないひと」という花言葉を持つクジャクソウに、私は憧れています。 見栄を張ったり、体裁を気にしたり。自分の頭だけで考えて、かたくなになってしまうことがあります。そんなとき私は、外を歩くことにしています。 お気に入りのコースは戸隠奥社の参道。ゆっくり歩いて往復する約90分は、自分自身を再起動させる時間のように感じます。 飾らず、自然体に。 少し冷たい秋の風が私の頭を冷やし、足元の落ち葉を揺らします。 (*1)多