私たちが暮らす街に、美しい緑の潤いを与える街路樹。その歴史は古く、奈良時代に始まったとされています。 江戸時代には、幕府によるきめ細かな取り決めや指導が行われるようになり、街路樹の植栽技術や管理・運営の基礎が確立されました。 明治時代に入ると10種の樹種が選定され、本格的な街路樹計画が実施されるなど、現代に至るまで街路樹は1000年以上にわたって大切にされ続けてきました。 今、地球規模での環境劣化が問題視され、一方で身近な緑に安らぎを求める時代において、その必要性はますます高まっているといえます。都市空間に自然の潤いを与え、その美しい景観が人々の心を癒すのはもちろん、二酸化炭素の削減効果、都市の冷却化、野生生物の拠り所としてなど、街路樹の役割は多彩に広がっています。