V・ファーレン長崎では2010年から主将を務め、2011年にはコーチライセンスも取得している。2013年にクラブは念願のJ2に昇格し、佐藤由紀彦はその精神的支柱となっている。 もし今、「魂のサッカー人コンテスト」があったとしたら、筆者は投票用紙に「佐藤由紀彦」と書き込むだろう。迷うことなんてなく。 反骨のクロッサーは、V・ファーレン長崎の「背番号10」を背負う。キャプテンとして最年長者としてチームを引っ張ってきた。 38歳、プロ20年目。彼は今季、リーグ戦で1試合も出場していない。いや、昨年4月7日の徳島ヴォルティス戦で後半39分にピッチに飛び出していって以来、1年半にわたって出場していない。今季は1試合もベンチ入りを果たしていない。 それでも、彼が魂の温度を下げることはなかった。 先頭を切ってウォーミングアップに向かい、トレーニングで一切、手を抜くことはない。若い選手に比べて走力が足りな