東京・築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の建物の下に盛り土がなかった問題で、元知事の石原慎太郎氏が在任中の2008年5月、建物の下に「コンクリートの箱」を埋め込む案の検討を指示していたことが分かった。 都が専門家会議の提言と異なる地下空間を設けたことに、石原氏の指示が影響していた可能性がある。 石原氏は08年5月30日の定例記者会見で、専門家会議の議論を踏まえた上で、海洋工学の専門家の意見を紹介。「土壌の汚染をどうやってクリーンアップするかではなく、もっと違う発想でものを考えたらどうだ。要するにコンクリートの箱を埋め込むことで、市場(の建物)を支える。その方がずっと安くて早く終わるんじゃないか」などと専門家会議の意見に異論を唱えた。