今日は悲しい話をするので、そんなもの読みたくないって人はどうか回れ右してください。 私が26の時、弟が事故で脳の一部を失うことになった。 私はその頃OLをしていて夕方何気なくケータイを見たらその重大な知らせが届いていたのだった。 「Kが◯◯で事故に遭って、重体だって」 母からだった。 すぐに自宅に電話をしたが話し中で一向に通じることはなく、とりあえず帰ることにした。 (一体、◯◯で何があった? どんなケガをしたのか、命は助かるのか……。) 何もわからぬまま、電車に飛び乗り60kmの道のりを帰った。何年も通った路線で、この時初めてグリーン車を利用した。心臓がバクバクして、着席したところでまっすぐ座っていることはできなかった。額の汗をハンカチで拭いながら、身を屈めていた。 「お客様、大丈夫ですか?」 途中グリーンアテンダントに声をかけられたが、ぶるぶる震えながら「大丈夫です……」と答えるのみだ