欧米のメディアは「iPhone」vs.「アンドロイド」vs.「ブラックベリー」というスマートフォン戦争にばかり注目しているが、人類の大半にとってスマートフォンは非実用的な贅沢品でしかない。世界で圧倒的な人気を誇る携帯電話は、質素なノキア1100。携帯電話市場が、アフリカと南アジアを中心に爆発的成長を遂げているおかげだ。 発売は03年。ハイテク業界ではすでに永遠とも思える昔の話だ。ノキア1100でできることといえば電話とテキストメッセージぐらいで、見た目も地味。だが2億5000万人のユーザーはそんなことは気にしない。 途上国のワイヤレスネットワークのデータ処理容量がスマートフォンの性能に追いつくまで、ノキア1100の耐久性と実用性の右に出るケータイは現れないだろう。貧者の武器と言われるカラシニコフ自動小銃AK-47の電話版だ。 Reprinted with permission from w
土管化のリスクがもたらす最悪シナリオ 外資系金融機関にて、リサーチアナリストとして通信セクターを担当している立場から、2011年のモバイル業界を「SIMロック解除」「LTE」「スマートフォン」の3テーマで展望する。 最終回の第3回目は、スマートフォンについて論じる。筆者の基本的な考えは、「土管+API(Application Programming Interface)プロバイダ」でオープンOS上でも垂直統合を志向する通信事業者がスマートフォン市場を制する、というものだ。 SIMロック解除、スマートフォン化の進展は、通信事業者にとって土管化するリスクがあり、土管化がもたらす最悪シナリオは「通信事業者間の差別化が料金とカバレッジのみとなる」との指摘もあるが、筆者は必ずしもその通りではないと考える。無論、スマートフォン化が進むほど端末による事業者間の差別化は従前に比べ困難になるであろうし、SI
スマートフォンの普及やモバイルブロードバンドサービスの登場を軸に、変化が加速するモバイルIT業界。2011年はどのようになっていくのか。 前編に引き続き、モバイルIT業界のキーパーソン、NTTドコモの代表取締役副社長 辻村清行氏に聞いていく。 →スマートフォン時代に向け、ラインアップ再編とiモードの移植を行う――NTTドコモ 辻村副社長に聞く(前編) Xiをドコモの競争優位性に ―― (聞き手:神尾寿) スマートフォン時代におけるキャリアの差別化において、インフラの部分はいかがでしょうか。KDDIは先日、モバイルWiMAX対応のスマートフォンを投入すると発表されましたが。 辻村清行氏(以下辻村氏) 我々は他キャリアに先駆けて、LTEサービスの「Xi(クロッシィ)」を導入しました。Xiでは屋外で下り最大37.5Mbps、屋内の一部エリアでは下り75Mbpsを実現していますので、これを積極的に
FOMAとLTEの加入者計画 外資系金融機関にて、リサーチアナリストとして通信セクターを担当している立場から、2011年のモバイル業界を「SIMロック解除」「スマートフォン」「LTE」の3テーマで展望する。 第2回目は、LTE(Long Term Evolution)について論じる。2010年12月24日に国内で初めてのLTEによるサービス「Xi(クロッシィ)」がNTTドコモで開始された。契約者の獲得目標は2011年3月末で5万契約、2011年度末で100万契約、2014年度では1500万を目指すという。 W-CDMAによるサービスである「FOMA」は2001年10月にサービスを開始し、2003年9月末に100万契約、2005年7月に1500万契約を達成したのだが、ほぼ同じペースだ。このXiの加入者計画について一見遠慮がちに思えるが、以下2点から筆者は必ずしもそうではないと考える。それは、
スマートフォン時代に向け、ラインアップ再編とiモードの移植を行う――NTTドコモ 辻村副社長に聞く(前編):新春インタビュー(1/3 ページ) 2010年から続く大きな変革期のただ中にある日本の通信業界。その中でも先端を走るNTTドコモは、2010年の現象をどう受け止め、そして2011年にどのようなかじ取りをするのか。2010年のキーワードは「スマートフォン」だと話すNTTドコモの辻村清行副社長に聞いた。 モバイルIT業界は2010年を境に新時代に突入した。 1999年のiモード登場から10年余り続いた従来型の高機能ケータイ(フィーチャーフォン)の成長は鈍化し、一方で、iPhoneを代表とするコンシューマー向けスマートフォンが台頭。モバイルでの新ビジネス・新サービスの進化と発展の軸足は、スマートフォンに移り始めた。モバイルIT業界全体の成長領域も、“携帯電話”から“多様なモバイルデータ端末
2010年7月、NTTドコモが携帯電話を特定の通信会社でしか使えないように制限する「SIMロック」を解除する方針を固めたと発表し、話題を呼んだ。さらに、NTTドコモの通信回線でサービスを展開するMVNO(Mobile Virtual Network Operator)の日本通信は、SIMフリー端末向けにSIMカードの販売やSIMフリー端末の販売網を強化するなど次々に新戦略を発表し、注目を集めている。 香港に在住し、携帯電話研究家として各国のモバイル事情を取材する山根康宏氏には、日本のSIMロックをめぐる動きはどう映るのか。 日本は「通信事業者の専用端末」、海外市場は「メーカー端末」 日本で販売される携帯電話も、気がつけば高機能携帯電話、すなわちフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が急速に進んでいる。2010年10月に行われたNTTドコモ、ソフトバンクモバイル両社の新製品発表会でも最
外資系金融機関にて、リサーチアナリストとして通信セクターを担当している立場から、2011年のモバイル業界を「SIMロック解除」「スマートフォン」「LTE」の3テーマで展望する。 第1回目は、SIMロック解除について論じる。SIMロック解除について筆者は以下3点に注目している。 2011年4月に導入された際の実質的な影響は? 既に態度表明をしたNTTドコモに対し、ソフトバンクモバイル(SBM)がどのような対応を取るか? 骨抜きSIMロック解除ガイドラインで見落とされた重要なポイントとは? の3点だ。以下、それぞれ詳述する。 現実論としてまったく無理 2010年6月に総務省より「SIMロック解除に関するガイドライン」が出されたことは記憶に新しいだろう。 このガイドラインでは、「2011年度(平成23年度)以降、新たに発売される端末のうち、対応可能なものからSIMロック解除を実施する」と記載され
香港科技大学に併設された、ITスタートアップ企業のインキュベーション施設。海辺に面した風光明媚なオフィスで、世界を目指すビジネスが日夜つくりだされる(撮影・テックブロガー/コンサルタント 池田将) ラッシュアワーの通勤電車の中で、携帯電話を操作している人々を見ていると、世間のトレンドが“フィーチャーフォン”(=旧来型の携帯電話。別名ガラパゴス・ケータイ、略して“ガラケー”とも呼ばれる)から“スマートフォン”へシフトしていく様がよくわかる。「iPhone(アイフォーン)」のみならず、グーグル携帯である「Android(アンドロイド)」も、ビジネス仕様に作られた「BlackBerry(ブラックベリー)」も、どこか、パソコンのアシストツール的なイメージが払拭できなかったのに、ビジネスマンやデザイン/音楽志向のプロフェッショナルのみならず、多くの若い一般人女性に受け入れられたのは、メーカーにとって
ASSIOMA:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) ASSIOMA ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。 今年の通信業界を振り返ってみれば、スマートフォン一色と言って良かったと思う。その話題の中心は常に「Android」だったように思う。 Gartnerが発表した、全世界の2010年Q3の市場シェアを見ても、Androidの勢いを疑う余地は無い。2009年の3.5%から、2010年では25.5%に躍進し、既にiPhoneを抜き二位の座を獲得している。 そういった世相を反映してか、世の中のアナリストや調査会社の発表するスマートフォンの市場予測では、今後はAndroidが優勢になるとの見方が多い。ここ数日、大前研一氏がiPhoneはAndroidに負けると書いた記事も話題になっている。私も実際にAndro
「ガラパゴス」という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ(もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった)。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA(米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス)のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日本という「単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い」という特殊な環境で、iモードを中心に「ケータイ・ライフスタイル」が異常なスピードで進化をとげていることを表して、「ガラパゴス現象」と呼んだだけのこと。決してネガティブな
デュアルじゃ物足りないのか? トンデモケータイの標準機能といえばSIMカードを2枚装着したデュアル番号待ち受け。そう、つねに2つの電話番号を利用できるのがトンデモケータイなのだ。SIMロックもないので自分の好きなSIMカードを2枚を入れて利用できるのは大変便利。でもよーく考えたら果たして本当にこの機能って必要なんだろうか?トンデモケータイを使っている人を見かけても実はSIMカードは1枚しか入れていないケースも多い。 ま、SIMカード2枚対応が標準になっちゃったので、いまさら1枚なんてのは低機能っぽくて出したくないというのがメーカーの本音なんだろうね。さらにパーツを買ってくるにしても2枚対応ばっかりで「え、1枚のほうが基盤高いよ!」なんて状況になっているのだろう。 とまぁ、誰が使うかわからないけど標準になっているデュアルSIMカード、これじゃ満足できないってんで3枚=トリプルSIMカード端末
携帯電話からの位置情報をパソコンで表示して、出動車両を決める東葛消防指令センター=千葉県柏市 携帯電話からの119番通報が増え、救急出動に生かそうという動きが広がっている。携帯を利用した場合、発信者の位置を瞬時に割り出すシステムが全国の約4割の消防本部で整備された。救急車や消防車の現場到着までの時間を短縮する狙いだ。総務省消防庁はさらに、聴覚障害などで会話の難しい人が通報に活用できるよう検討を始めた。 千葉県柏市と我孫子市でつくる「東葛消防指令センター」。携帯電話からの119番通報を受けるとパソコン画面の地図に「携」の文字が浮かび、通報者の位置を表示する。伏見弘専門監は「普段通らない場所で交通事故を起こしたような時は、自分がどこにいるのかうまく言えない。そんな時は位置情報から場所を絞り込める」と話す。 通報者は、事故などの場所や救急隊などが来る際の目標物を伝える必要がある。固定電
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