1985年8月12日、日本航空123便羽田発大阪行B-747型機が離陸12分後、高度7,200mに達した辺りで後部圧力隔壁の破壊とそれに伴って生じた垂直尾翼構造の破壊により姿勢制御が不能となり、およそ32分間の迷走飛行の後、群馬県上野村御巣鷹山に衝突し、乗員乗客524名のうち520名が死亡する航空機の単独事故としては世界最大規模のものとなった。 事故の直接的原因は機体後部圧力隔壁の破壊であり(図2参照)、大量の高速の空気が流出し、圧力隔壁の後ろにあった集中油圧制御装置と補助エンジン(APU)を破壊し、さらに垂直尾翼のボックスビーム(尾翼に作用する曲げ・ねじり荷重を支える箱型重要構造)を破壊したために垂直尾翼構造のほとんどが失われ(油圧制御配管は4系統あるがそれを集中制御している油圧ユニットが破壊されたため)、舵面制御用の油圧も失われて制御不能に陥った結果、直ちに空中分解することはなかったも