「企画や戦略の段階から参加できない」 「要件定義に同席させてもらえてない」 「だからアウトプットが適切に作れない」 こうした不満の声は、私が社会人になった20年前からしばしば耳にしていた。これはそれ以前からも存在する「IT業界あるある話」の1つなのだろう。 いわゆる「前工程」「上流工程」に参加できず、仕様を勝手に決められてしまうのは、デザイナーやエンジニアといったクリエイターたちの不満が募りやすいポイントの1つだ。私がデザイナーだった時も、似たような不満を抱いていた時期があった。 ただ、「それは確かに問題だね」と社内で合意が取れたとする。いや、実は合意を取って同席するのは難しくない。なぜならほとんどの関係者は、実際に作る人たちも話に参加してほしい、作り手視点の具体的な意見がほしい、と思っているからである。 なので声をあげれば、いわゆる前工程への参加は割と実現しやすい。しかしそれが実現すると