今年3月、最新の米国疫学調査の結果から、「卵をたくさん食べる人は心疾患の罹患(りかん)率や死亡率が高くなるので要注意」という話題が日本でも報道されました。調査によると、1週間に鶏卵を3~4個食べる人や、食事からのコレステロールを1日当たり300mg摂取する人は、そうでない人に比べ、心血管疾患や早死にのリスクが高いという結論が導き出されました。安くておいしく、調理しやすい上に栄養価が高い卵を、健康のために控える必要はあるのでしょうか。今回は、卵と健康の関係を改めて考えます。 鶏卵はコレステロールを多く含む食品のため、以前は血中コレステロール値の高い人は控えるよう指導されていた歴史があります。最近は、食事で摂取するコレステロールは血中コレステロールにそれほど影響を与えないことが周知されています。日本人の食事摂取基準でも具体的な上限は示されていないため、食べ過ぎは別として、「健康なら特に摂取制限