首里城の正門「歓会門」前に並ぶ明治政府軍の兵士。熊本県から派遣され「熊本鎮台兵」と呼ばれていた。城門には「沖縄分遣(隊)」の看板が見える。琉球処分を象徴する写真だ(石黒敬章氏所蔵) 明治初期から中期にかけての沖縄で、首里城や人物を写した29枚の写真が東京の古写真収集家のもとに残っていたことが3日までに分かった。このうち、独特なまげを結った女性像など16枚は庶民の姿をとらえた沖縄最古の肖像写真の可能性もある。 詳細な撮影年月や撮影者は不明だが、首里城正門(歓会門)前で銃を持って並ぶ兵士の写真があることから、明治政府が派兵し琉球藩王を追放した1879(明治12)年から、兵が首里城を撤退する96年までの間の撮影とみられる。専門家は沖縄を日本に併合した「琉球処分」直後の時代を生々しく伝える「極めて貴重な写真」と話している。(共同通信)