日本の不平等 作者: 大竹文雄出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2005/05/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 50回この商品を含むブログ (49件) を見る第1章 所得格差は拡大したのか 世帯所得の不平等度を考える場合、世帯人員数の影響を受ける。その調整方法として一般的に用いられるのが等価所得(=世帯所得/√(世帯人員))の概念。 橘木俊詔氏は、所得再分配調査の「当初所得」の数値により、日本の不平等度(ジニ係数)は米国よりも大きいと論じたが、比較する統計の定義が異なっている。「当初所得」では、公的年金だけで生活する世帯が増えたことにより、ジニ係数は(他の調査と比較しても、)著しく高まる。 80年代は、低所得男性の配偶者ほど有業率が高いというダグラス・有沢法則が明確に成り立っているが、90年代に入るとその関係は弱くなり、97年においては夫の所得と妻の有業率の間には