物事を論理的に考えたり伝えたりする「ロジカルシンキング」の書籍は数多くある。そのなかでも本書がユニークなのは、システムの企画・開発の具体例を基に、そのテクニックを紹介している点だ。 ITコンサルタントとして活躍している著者は、自身の経験を通して身に付けたロジカルシンキングのテクニックを「MALT(Modeling As Logical Thinking)」として体系化した。それらを「考える(モデル化する)、図示する、文章を書く、文章を読む、交渉する(合意形成に導く)、評価する、資料を作る」の7つのシーン別に紹介する。顧客への提案書や報告書などを例に解説しているため、ITエンジニアやITコンサルタントにとって実践的でわかりやすい。 ただし、魔法のような方法があるわけではない。基本は「短く、わかりやすく、親切に」だ。平易な言葉に置きかえたり、文章の前後を入れ替えたり、図の配置を変えるだけでも、