規模は重要である。中国の平均的な発展度合いだけに目を向ければ、タイとほぼ同じ生活水準の国が見える。 中国の規模だけに目を向ければ、既に世界第2位の経済大国となり、世界最大の輸出国(欧州連合=EU=の加盟国を別々の経済として扱った場合の話)、世界第2位の輸入国であり、世界最大の外貨準備を保有する国が見えてくる。 中国の指導者たちは当然かつ正当に、安定の維持と繁栄の達成に集中している。中国以外の国々も当然かつ正当に、中国が次第に大きくなる力と責任をどう行使していくのか知りたがっている。 中国の台頭にうまく適応してきた世界 これまでは、中国の台頭に対する適応は驚くほどうまく進んできた。中国と既存の大国の間に文化、歴史、政治制度の大きな隔たりがあることを考えると、なおのことだ。中国経済は力強く、市場主導の色彩を強めてきた。そして西側諸国は中国を受け入れた。これは賢明な対応だった。 両大戦間の大恐慌