奥多摩は「東京の山」という手軽なイメージもあって、ジーパン、スニーカーなどで、運動などあまりしたことのない人まで出かけてくる。ところが、奥多摩に来る登山者にもあまり知られていないが、青梅警察署管内の山岳遭難事故だけでも年間40~50件前後発生し、死者・行方不明者は平均5~6人に上る。これに五日市警察署、高尾警察署などを合計すれば、東京都の山で発生する山岳事故は100件ほど。死者・行方不明者も10人弱になるという。 【写真】この記事の写真を見る(7枚) ここでは、20年間、警視庁青梅警察署山岳救助隊を率いてきた金邦夫(こん・くにお)氏が、実際に取り扱った遭難の実態と検証を綴った著書 『侮るな東京の山 新編奥多摩山岳救助隊日誌』 (山と溪谷社)より一部を抜粋。ヨコスズ尾根で起きた強盗傷害事件について紹介する。(全2回の1回目/ 2回目 に続く) ◆◆◆ ヨコスズ尾根で起きた強盗傷害事件 200