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ブックマーク / matoyomi.hatenablog.com (18)

  • さながらカマキリの腕 - マトリョーシカ的日常

    Lake Louise photo by Andreea Chidu (@achidu) on Unsplash 夕陽が沈む頃に会社に向かう。もしかしたらあれは朝陽で、世界は次第に朝を迎えるのかもしれない。そう考えてみたが、やはり陽は沈んでいくのであって、私は逆向きに生きている。 さまざまなことがあった。家を買った。とんでもなく長い年月をかけてローンを返していかねばならない。けれどもそれは賃貸でも同じことであって、私の気の持ちようによってどうとでもなるのかもしれない。そうやって家購入のもろもろの手続きに追われた。ローン審査のお願いとか保険の申し込みとか税金のなにがしやら、いろいろあった。引っ越しもなんとか終わった。そしてここにいる。 着々と決定を行っている。私の人生の可能性がゴリゴリと削られていくのがわかる。これでいいのかどうかは知らない。知らないなかで着地点を設定せねばならない。 まだネ

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    ikeit
    ikeit 2017/08/31
  • 召喚士は通す。ガードも通す。キマリは通さない。 - マトリョーシカ的日常

    Photo by nikita velikanin on Unsplash 文章によって生かされている。フレーズが浮かんだだけで実際はどうかは知らない。少なくても死んでいることはなさそうだ。いくつかの台風とミサイルが頭上を通る間、私はひとかたまりの仕事をちぎっては投げちぎっては投げていた。 日常を切り取ることは容易だが、思考を切り取ることは難しい。という言葉をいま考えた。この切り取るというのはどういうことか。意識の幅を狭くすることか。なんらかの編集を加えるということか。両方か。なんにせよ、全くのクリアな現象や要素は存在しない。観測者がいる限りそれは観測された事象でしかなく、真の値とかリアルな値ではない。そうやって考えていくと切り取る行為は生きているそれであって、我々が呼吸をしたり心臓を動かすことと同義だった。切り取らないほうが難しい。 息子が2歳になった。もう2歳なのか、まだ2歳なのか。子

    召喚士は通す。ガードも通す。キマリは通さない。 - マトリョーシカ的日常
    ikeit
    ikeit 2017/08/12
  • 文章によるデトックスサプライズ。 - マトリョーシカ的日常

    Photo by Manu Adán on Unsplash 生き死にを繰り返しながらそれでも生きていて、ついこの間買ったひまわりは一週間で花瓶の中で枯れた。逆に言えば彼らは切り花になりながらも、一週間は生命を維持できたわけであって、それは会社の近くで鳴いていたセミのそれに等しい。私はというと順調に年を経ているようで、文章を書かなくてもしっかりと呼吸はできているし、笑うし涙を流すこともあってめまぐるしさが付着している。ノアザミはようやく姿を消した。 通勤電車の中で野帳に言葉を記入することがあって、その内容は日々の思考の切れ端でしかないが、その効能はわりと優れている。出力の頻度を高めることは実現を早めることにつながるようだ。私は一年以上前から似たようなことを考えるくせがあるらしく、変わらない想いを胸に抱いて両手を広げていた。それが最近では実現可能性の助詞を使うようになり、日常がアップデート

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    ikeit 2017/07/30
  • とりとめのなさと一九八四年 - マトリョーシカ的日常

    Mountain, loneliness, solitude, wilderness and natural elevation HD photo by David Marcu (@davidmarcu) on Unsplash 自分の中にある言葉の少なさにあきれている。何かを参照しない限り何も語ることができない。そのような人間になっている。しかし、そうはいってもやはり文章を書く行為全般は何らかの刺激によってなされるはずであって、参照のない出力などこの世には存在しないのだろう。 アンダーグラフの昔の曲を聞いたら学生時代を思い出し、久しぶりにサークルのホームページを見ようとした。閉鎖していた。こうして私の過去がひとつ閉じられた。あそこに収納していた出来事は果たして実在していたのか。実際、あれに所属したのは1年ほどだったので、記憶がより薄い。それでも今回のようなケースで過去が蘇ってくる瞬間は存

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    ikeit 2017/07/11
  • ワクワクの可能性を上げる種まき/「自分が信じていることを疑う勇気」(献本) - マトリョーシカ的日常

    帰り道に見かけたノアザミたちはどれもが空を一直線に見上げていた。まだ夜ではなかった。雨も降っていなかった。梅雨入りしたはずなのに、今年はあまり傘の出番がない。彼には申し訳ないことをしている。私は気分がいい。日々の仕事に追われているが、ストレスはまったくない。自分がしたい仕事であるからというのもあるし、誰かに必要とされているからということもある。「今のような業務があとどのくらいできるのだろう」と考えてはいるが、それは誰も知らない。知らないけど、それでまた今月も生き延びることができる。それで十分じゃないか。コンビニで買った缶コーヒーを駅のホームで飲む。また喜ばしからずや。 長谷川 雅彬さんから彼の著書である「自分が信じていることを疑う勇気」を贈っていただいた。今月の初めにを頂いていたのに、感想を書くのがずいぶん遅くなってしまった。すみません。表紙とタイトルからは、よくある感じの自己啓発書の匂

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    ikeit 2017/06/29
  • 単位体積あたりの思想/「論語」 - マトリョーシカ的日常

    Photo by Zoltan Kovacs | Unsplash 晴れてはいたが、水分が多かった。六月のムッとした空気が停車している電車を押しつぶしていた。それは私のホームとは反対にあって、私が乗るべき電車はまだきていなかった。この情景描写は文とはまったく関係ないが、それを記録しておくべきと私は感じていた。そうしてこうなった。 wishリスト経由でおいもさんから『論語』をいただいた。ありがとうございます。時間が経ってしまったが、少しばかり感想を書こう。論語とは、中国の孔子というおっさんがえらいこと述べてたものを集めたものだ。おっさんはだいたい紀元前五五〇年から四七九年まで生きていた人間で、割と古い人間だ。 論語の中心となるのは仁、君子という要素であり、だれもがそれを夢見ている。仁を持ちたいな、君子となりたいな、それにはこれが必要でこれが不必要だ。彼は君子で彼は君子ではない。そんなことを

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    ikeit 2017/06/21
  • くっそくだらないハードウェアをつくるぞ!/メイカーズのエコシステム - マトリョーシカ的日常

    モモの小説に出てくる時間泥棒に襲われているような日々だ。時間が驚くほど少ない。いや、時間がすくないというより満足のいく使い方ができていないだけか。以前、私は自身のことを「を読む、文章をかく、ものをつくる、そういうことでしか経験値を得られない人間」だと書いた。(気がする。)それらができないとそわそわするし、もやもやするし、嫌な気分になる。そう。私は文章を書いていない。 からあげさんからwishリスト経由で『メイカーズのエコシステム』というをいただいた。ありがとうございます!!メイカーズとは自由にものづくりをする人々の総称。彼らは既存の企業にとらわれることなく、自分たちの好きなようにつくってワクワクしている。非常に愉快な連中だ。書では中国は深圳のメイカームーブメントの模様を中心して、未来の新しいワクワクを紹介している。 にはニュータイプのわくわくも存在していたが、実際にハードウェアを製

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    ikeit 2017/06/10
  • 3Dプリンターでブックストッパーをつくった。 - マトリョーシカ的日常

    前から作りたかったクリップをようやく作ったので公開してみます。わーい。 文庫にとりつけるとこんな感じ。 制作風景 まずは考えます。思ってることを適当に言葉や絵にしてみます。かんざしっぽいものでを固定したらどうだろう、と思いつきました。やったー。 ちょっと作ってみます。CADで絵を書いていつものshapewaysで3Dプリントしてもらいます。 あ、だめだこりゃ。肉厚が厚くてぜんぜんしならない。「だめだこりゃ」ってなったのでまた考えます。 既存の洗濯バサミのばねを流用することにしました。形状も洗濯バサミに似せればいいかんじに動くはず。あとは絵をかくだけ。 100均で木製の洗濯バサミを調達。この形状を参考に…… そい、 そい、 そぉぉぉい! 同じ部品を二つ3Dプリントして既製品の洗濯バサミのばねを組み付けます。 完成。 売ってみよう。 とりあえず製品化してみよう。全然採算取れないけどなんとか

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    ikeit 2017/05/28
  • ホッタイ宝塚で加速する楽しさ/池上彰さんの本 - マトリョーシカ的日常

    いったいどのように言葉を紡げばよかったか。それらの質感を確かめないままこうして空気中に放り込む。そうやって酸化されたそれは表面に不動態を生成し、私からの観察を妨げる。 誕生日プレゼントとしてけいろー (id:ornith) さんから池上彰著「学校では教えない『社会人のための現代史』」をいただいた。ありがとうございます!!!!amazonのwishリストに登録していたものだ。私は現代史に疎く、社会人として、父としてこの先うまく生き残れるか多少不安である。池上さんが解説しているなら、手っ取り早く読めるかなと思った次第だ。想像以上に分かりやすかった。 上記の文章からここに至るまでわりと長いブランクがあるため、文章の展開がつかめない。きっと世界大戦によって発生したひずみの二元論を適当になにかにくくりつけて、いろいろなことを語るはずだったのだろう。ただ、ひとつ確かなことはニュースは自分の言葉で語っ

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    ikeit 2017/05/27
  • 28才になった。 - マトリョーシカ的日常

    そうして28才になった。毎年こうして年を重ねていることが不思議である。シームレスな人生に強引に割り込んでくる年齢という概念。思索のひとつの基準になるが、その近辺の変化はたいしたことがない。昨日と今日でなにが違うわけでもない。そういうことである。 勉強 この一年でまた少しを読んだ。「存在と時間」の上巻とか、不完全性定理とか量子脳とか。どれもわりと面白かった。「真に正しいということは数学では示せない」という不完全性定理の内容はすっと自分のところに入ってきた。なるほどなぁ。 あとは機械加工の資格とCADの資格をとった。仕事に直接生きるかはわからないが、自分の自信にはなった。今年ももう二つほどとりたい。 つくったもの 3Dプリンターコーヒーフィルターホルダーをつくったくらい。やばい。何もしていない。もっとFusion360でいろいろ遊びたいのになぁ。クリップをつくろう。 仕事 4月から異動した

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    ikeit 2017/05/11
  • 雑なGWハイライト - マトリョーシカ的日常

    高知のアンパンマンミュージアムと、アニマルランドに行ってきました。アンパンマンは言わずもがなでしたが、アニマルランドが予想以上に良かったです。入場料無料で動物がたくさん見れます。 わんぱーくこうちアニマルランド・オフィシャルサイト あとは近くの公園で遊んだり、ひとりで喫茶店に行ったりしました。充実したGWでした。 こんなことやってたらもうすぐ28歳になります。うわー、大変。どんどん楽しいことをやって人生を盛り上げて行きたいです。

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    ikeit
    ikeit 2017/05/05
  • そろそろ自分の可能性に見切りつけたい/「エンジニアの成長戦略」  - マトリョーシカ的日常

    戦略を練る 「エンジニアの成長戦略」を読んだ。id:takumi296(匠習作)さんの著書であり、これからの若いエンジニアに向けてキャリアを作る上での道筋やヒントが書かれている。匠さんは技術士で、企業の生産設備のコンサルタントや、技術士試験対策の講師をしている。ブログでは原発・鉄道の事故や医療機器の法律など幅広い事柄を取り上げていて、すごいなぁと思いながら読んでいる。 takumi296's diary なんにせよ戦略である。私は来月で二十八才になるが、そろそろ自分の可能性に見切りをつける必要がある。残されたリソースを有効に使って、戦略的にスキルを上げなくてはいけない。何がしたいのか。それには何が足りないのか。 ロボットを作って売りたい。 最近、「自分が何をしたいのか」を考えることが増えた。ノートにもそのような書き込みが多い。そして、その度に「ロボットを作って世界中で売りたい」という結論が

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    ikeit 2017/04/27
  • 非計算と脳みそ/ペンローズの<量子脳>理論 - マトリョーシカ的日常

    計算されない書き出し 書き出しに慎重になりすぎるのは、そこへ期待をかけすぎているからかもしれない。はじめの一文で全てが言い切れるような、そんなものを目指していたのか。それは私には荷が重すぎたため、こうして緩みきった文章を打ち続けているのだが。 ペンローズの量子脳のを読んだ。以前にWIREDで彼の話が紹介されてから、「いつか読んでみたいな」と思っていて、それがやっと実現された。よかった。ペンローズはイギリスの数学者・物理学者で1931年生まれの85歳。おじいちゃんだ。量子脳というのは、人間の意思(脳)は量子力学と関連が深いという考え方から生まれた言葉だ。量子とは電子レベルの大きさのやつらで、米粒よりもちっちゃい。我々の脳がそのような見えないやつらに影響されているらしい。そいつぁすげーや。しかしながら、ペンローズじいさん曰く、意思の仕組みを捉えるには量子力学的だけでは足りないらしい。 私自身

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    ikeit 2017/04/21
  • Fusion360による3DCAD作業がめちゃくちゃ楽しい。 - マトリョーシカ的日常

    やばい。 blog.shibayu36.org さきほど読んだ記事の中に、雑にブログを書くといいよ!と書いてあった。雑に。なんだか自分の中にしっくりきた。今まで長いことブログを運営してきた中で、記事更新のスピードを早めたり遅めたりいろいろ調整した。結局はそのスピードがベストなのかは決められなかった。記事の質は更新スピードとトレードオフの関係にあったから。 それでも書かないと何かは起きない。内側にある理念は発信しないと誰にも伝わらないし、こっそりプロジェクトは公開してはじめて動き出す。「もっと作りこんでから」「もっと仕上げてから」そうやって物事を先送りすると、あまり楽しくはない。一定の期限を決めて出してしまおう。完成度が低いのを嫌がるなら、もっと作業を早めてしまえばいい。頑張ればなんとかなる。 3DCADの続きを書く。現在文庫を見開きで固定させるクリップを設計している。設計と書くと聞こえは

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    ikeit 2017/04/16
  • 意識の遅れ系と黄金比/「黄金比の謎」感想 - マトリョーシカ的日常

    前から記事しようと考えていたネタに、「意識の遅れ系」というものがある。なんのことはない。「自分の思考や思想は遅れて具現化する」ということだ。私はポケットサイズの野帳に日々思ったことを書き散らかす癖があって、へんてこなアイデアや願望を記録している。「3Dプリンターでなにか作りたい!」とか「こんなを読みたい!」など。そうして年月がたち、ふと過去のノートを見直すとその時の書いた内容がすでに実現されたことに気づくのだ。「ああ、そうかこんなことを考えていたのか。これは叶ったなぁ」と。意識って楽しい。 我々の意識はどこからやってきてどこへいくのか。よく分からないが、そこまで難しい仕組みにはなっていないはずだ。計算できないというか非計算領域の話だ。「なんとなくそうなっている」という言い方が一番しっくりくる。ただ、計算式で表現するならば自己循環とか回帰とか自己相似のニュアンスを含んでいるはずである。次の

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    ikeit 2017/04/10
  • 私のブログはだれかを動かしているのか。/「人を動かす」 - マトリョーシカ的日常

    果たして私はみなさんに役に立つ情報を与えているだろうか。独りよがりの文章になっていないだろうか。そもそも、私は何を伝えたいのだ。このようなしがらみのないエディタ空間にただ文字を並べていって、そこに目的はあるのか。もっと明確な意思を持って何かを発信する必要があるのか。わくわくを展開し、世界を震わせていけば良いのかもしれない。しかし、内に沸き起こる衝動を待っていては一生文章なんて書けない気がする。 D・カーネギーの「人を動かす」を読んだ。とても有名なビジネス書だ。どうやったらみんなが動いてくれるのかが書かれていた。相手に関心を持ちなさい、ということらしい。確かにそうだ。基的に私たちは自分のことが大好きで、他人のことは気にかけることをしない。誰かが苦しんでいても、自分が苦しくなければ問題はない。カイジに登場する兵頭という老人もこんなことを言っている。 「折れた足をいじられると彼は痛いが…わしは

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    ikeit 2017/04/01
  • 楽し層(そう)を積み重ねる/WIRED Vol.27 感想 - マトリョーシカ的日常

    文章が書けない時はどうするか。文章を書くしかない。学生の頃に、よくジャグリングをしていて、ひたすらボールを投げていた。何も考えなかった。ただ投げた。難しい技を練習する時も「どうすればできるようになるのか」とかそんなことは考えなかった。成功するコツは成功するまで投げることである。きっと文章もそういうものだ。書かなければそれは書かれない。 しばらく前にWIREDの定期購読を申し込んだ。あの雑誌は悪いものではなく、文章がたくさんあり、おしゃれで愉快なため定期購読は悪く無い。今回は定期購読を忘れた頃にVol27が届いた。テーマは「サイエンスのゆくえ」。科学のこれからについて論じていた。科学と聞くと緻密な計算から一つの答えを導くようなイメージをもつ。しかしその潮流は変化しているらしい。真実が複数あることを許容する動きだ。東京大学教養学部の教授である村上陽一郎は、自身のスタンスを「科学にユニークソリュ

    楽し層(そう)を積み重ねる/WIRED Vol.27 感想 - マトリョーシカ的日常
    ikeit
    ikeit 2017/03/26
  • 仕事の意味を見つける作業とショウペンハウエル「知性について」 - マトリョーシカ的日常

    皿洗いと知性 深夜の皿洗いは立禅である。昨日リビングのホットカーペットの上で寝てしまった僕は、爛々と光る蛍光灯のもと午前二時に目が覚めた。体の節々の痛みに耳をかたむけながらそっと起き上がり、ほとほと台所へ向った。夕飯の器がまだ残っていたのを洗うためだ。目が明るさに慣れていないため、電気をつけずに蛇口をひねった。お湯と水のバランスをとりながらスポンジに洗剤を付けて若干泡立てる。はじめにコップを洗い、洗い終わった箸やスプーンをその中へ入れていく。単純な作業だ。何も考えない、いや考えることが出来ない。もう少しレベルアップすれば皿洗いをしていたことすら忘れて「妖精のせいだ」と勘ぐるかもしれない。いつだかTVでやっていた。最後にフライパンをごしごしふいて終了した。僕はベッドへ入った。 皿洗いの場面で知性は存在せず、そこには肉体とぼやけた感覚があるだけだ。そう感じていたが、ショウペンハウエルは知性は

    仕事の意味を見つける作業とショウペンハウエル「知性について」 - マトリョーシカ的日常
    ikeit
    ikeit 2014/11/27
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