「環境と開発に関する世界委員会」(委員長:ブルントラント・ノルウェー首相(当時))が1987年に公表した報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として取り上げた概念で,「将来の世代の欲求を満たしつつ,現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言う。この概念は,環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ,環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに立つものである。 (1)「国連環境開発会議」(「地球サミット」)(1992年) 1970年代始め頃から人間環境について様々な決定がなされるようになり,その後,オゾン層の破壊,地球温暖化,熱帯林の破壊や生物多様性の喪失など地球環境問題が極めて深刻化し,世界的規模での早急な対策の必要性が指摘された。その結果,1992年に,リオデジャネイロ(ブラジル)において「国連環境開発会議」(UNCED,「地球