経済学は物理学とは違って、専門家だけが理解しても意味がない。特に政治家が理解していないと、いくら高度な経済理論をつくっても役に立たない。ところが経済学者の多くは大学で教えていれば生活できるので、それを社会にやさしく説明するインセンティブがない。そこで去年のニコ生アゴラでは、3人の経済学者にデフレをやさしく解説してもらった。 「デフレはお金が足りないんだから、お札を刷れば止まる」という誤解は、安倍総裁を初め広くあるが、そんな簡単な問題だったらとっくに解決している。小幡積氏もいうように、問題は日銀の発行する通貨(マネタリーベース)が、銀行の貸し出しで市中に流通する資金(マネーストック)にならないことだ。それは資金需要がないからで、いくらお札を印刷しても銀行の中に積み上がるだけで、物価は上がらない。 しかし池尾和人氏もいうように、財政インフレは起こりうる。財政が苦しくなったら政治家が「中央銀行が
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