この数年、富豪大国として知られるロシアの長者番付に変化が出てきた。ソ連崩壊後の混乱期に莫大(ばくだい)な資産を築いたオリガルヒ(新興寡占資本家)と呼ばれる富豪に代わり、プーチン大統領や政権に近い“新世代”が台頭しているのだ。プーチン政権は2003年の「ユコス事件」を機に新興財閥への統制を強めてきたが、ここにきて“政財一体化”がより鮮明になりつつある。十傑に旧友 米フォーブス誌がまとめた13年版の長者番付によると、推定10億ドル(約945億円)以上の個人資産を持つ「ビリオネア」はロシアに110人おり、米国と中国に次ぐ3位。今回は、プーチン大統領の旧友として知られる石油トレーダーのティムチェンコ氏が、初めて十傑に入ったことが注目された。 同氏はプーチン氏がサンクトペテルブルク副市長だった1990年代からの親友で、独立系天然ガス企業「ノバテク」の大株主でもある。4年前に4億ドルだった推定資産は今