■問いにタブーなし、身近で軽妙 タイトルからして思わずギョッとするかもしれないが、これほど画期的な本はあまりない。だれもが一度は疑問を持ちながら、ちゃんと考えたことも、だれかに聞いてみたこともない。それほどに普遍的で身近な下半身の話題について、最新の学説と自説の展開を、ユーモアを交えて行ってくれているのがこの本だ。 問いのひとつひとつは、もしかしたら不快に思う人がいるかもしれない。だからこそ「タブー」とされてきたわけだが、実験心理学者でもあり、ゲイでもあることを公表している著者にタブーはない。 ペニスはどうしてぶらさがっているのか。なぜあんな形なのか。そもそも子孫を残すためにもっとも大事なものをおさめている陰嚢(いんのう)が、どうして無防備な状態で、しかもアシンメトリーにぶらさがっているのか。進化のためを考えるなら、なぜ人類は早漏ではないのか(遅漏な動物は攻撃性が高いのはなぜか)。人間以外