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ブックマーク / kanimaster.hatenadiary.org (1)

  • 堀辰雄 『風立ちぬ』 - 蟹亭奇譚

    ……そのうち彼女が急に顔を上げて、私をじっと見つめたかと思うと、それを再び伏せながら、いくらか上ずったような中音で言った。「私、なんだか急に生きたくなったのね……」 それから彼女は聞えるか聞えないか位の小声で言い足した。「あなたのお蔭で……」 堀辰雄 『風立ちぬ』 春 『風立ちぬ』 は昭和11〜13年に発表された中編小説。 《私》 の婚約者である節子は肺結核を患っている。当時、死の病であった彼女の結核が悪化したため、富士見高原の療養所へ入院した節子に付添って、《私》 はそこで数ヶ月を過ごす。 療養所での二人のロマンス、やがて訪れる節子の死、悲しい別れ――という話だとばかり思っていたら、途中から全く違った方向へ進んでしまったので驚いた。 小説の真ん中あたりで 《私》 は 「仕事」= 執筆を始めるのだが、後半、「冬」 の章以降はその執筆内容、即ち彼の書いたノートになっている。ノートには各々日付

    堀辰雄 『風立ちぬ』 - 蟹亭奇譚
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