(11日に想う 震災4年1カ月) NHK仙台放送局アナウンサー 杉尾宗紀さん(58歳) NHK仙台放送局に3月末、杉尾宗紀(そうき)アナウンサーが宮崎放送局から戻ってきた。震災が起きた日の夜、ラジオで「明けない夜はありません」と何度も語りかけた。それでも、自分の声で命ひとつ救えなかった。その痛恨の思いから、二度目の仙台を希望した。 杉尾さんは宮崎県出身、1983年にNHKに入局したベテランだ。前回は07年から仙台に勤務し、そろそろ異動という時、震災はやって来た。 地震が起きた時刻は自宅マンションにいて、床にはいつくばって耐えた。激しい揺れが収まり、市内の様子をリポートしようと、自転車で出た。信号は消えていたが、倒れたビルなどはなく、人々は意外と落ち着いて見えた。 局に着いたのは午後4時前。ラジオブースに入ったちょうどその時、テレビ画面に名取川の河口をのみ込む大津波が映し出され、言葉を失った