2016.12.17 多発するキャンパス・レイプ 「レイプの首都」と呼ばれたアメリカの大学街で起きた普遍的な性暴力を巡る問題 モンタナ州第二の都市、人口7万人の街ミズーラ。ここにあるモンタナ大学のアメリカン・フットボール(アメフト)チームの選手らが引き起こした複数のレイプ事件が地元紙に報道され、大学はレイプ・スキャンダルで大騒ぎとなった。2012年には、数十件のレイプ事件対応に不手際があったという疑いで米司法局による、モンタナ大学、ミズーラ市警やミズーラ郡検事局への捜査が入ったことで、より大きな注目を集め、ミズーラは「レイプの首都」などと呼ばれるようにもなった。 9月に翻訳出版された『ミズーラ』(亜紀書房)は、ミズーラで起きたレイプ事件の被害者、関係者、裁判の展開から見えてくる、アメリカにおけるレイプ神話や対応する大学、警察、司法の問題を、ベストセラー作家のジョン・クラカワーが詳細かつ丹念