女性だけで見ると、トリートメント群の成功率が低い。 トリートメント群の成功率が低い男性と女性のデータをあわせると、トリートメント群の成功率が高い全体のデータができてしまう。一体何が起きているのであろうか? 数字を注意深く見ると男女は80づつで同数で、トリートメント群とコントロール群も80づつ同数だが、男性のトリートメント群と女性のトリートメント群、男性のコントロール群と女性のコントロール群の数が異なる事が分かる。不十分な層化抽出方法だと、こういった偏りが出て来やすい。 単なる確率的な偏りだけではなく、調査員や被験者の行動によって偏りが入り込む可能性もある。論文では中国のメガネによる視力矯正の効果を測る実験の例があげられていたが、調査員の男女に対する態度が異なっていたようだし、教員や村の重鎮の子供はメガネを受け取らなかったそうだ。 RCTとは言え、しっかり層化抽出をしないと結果は信頼できない