「あの子の鼻、変じゃねぇ?」同級生からの心なき言葉は、“病気に対する無知”が理由だと気が付いた。その気付きが、当時中学1年生だった故東来宝さんに、自身の病気「口唇口蓋裂」を自由研究のテーマとして起用するキッカケと行動力を与えた。生後2か月から、4度の手術を経験。幼い頃から悩み苦しんできた彼女は、「嫌な経験も私にしかできない体験だから」とすべての経験を“力強さ”に変えていた。 「なんで私だけこんな風なんだろうって、すべて“口唇口蓋裂”のせいにしていた時期もあった」そう語るのは、岐阜県御嵩町の共和中学校に通う中学2年生・故東来宝さん。上唇や上あごが裂ける病気「口唇口蓋裂」のある状態で生まれてきたが、4度の手術を経て、現在は手術の跡もほとんど分からないほどだ。「口唇口蓋裂」は日本では500人に約1人の割合で生まれてくると言われており、来宝さんは生後2か月で口元を閉じる手術を行った。さらに9歳の頃