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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (9)

  • ウクライナ東部、旅客機撃墜を取り巻く複雑な状況

    7月17日の米国東部時間のお昼前後に、「ウクライナ東部で、マレーシア航空のボーイング777型機が不明に」というニュースが駆け巡りました。ネット上の反応などを見ますと、誰もが一瞬、3月に発生したインド洋での同社の同型機の失踪を思い起こしたようです。 あの時は、機体が消えてしまい現在でも不明になっています。ですが今回の場合は、事件が現地の昼間に発生したこともあり、様々な動画や静止画があふれる中で、数時間のうちに事態の概要が大きく報じられるようになっています。 映像の中には、明らかにマレーシア航空機の塗装やマレーシアの国旗の表示のある機体外壁の大きな破片があり、また遺体などから回収されたパスポートの山など、胸の痛む画像もあります。マレーシア航空のアムステルダム発、クアラルンプール行きの「MH17便」であることは間違いないようです。乗客乗員298人の生存は絶望的と言われています。 この事件ですが、

    ウクライナ東部、旅客機撃墜を取り巻く複雑な状況
  • 「ディーゼル特急を守れ」、JR北海道のギリギリの闘い

    ここニュージャージー州をはじめ、ニューヨークからマサチューセッツなどの米国北東部では、夏というのは道路工事の季節です。あちこちで、路面をはがして再舗装する作業が続いています。というのも、12月から1月には大雪が降ったり、気温が摂氏で氷点下10度を下回る中で、路面が凍結を繰り返す中で数年で舗装がガタガタになってしまうからです。 そうした工事区間を通りながら、私はJR北海道のことを考えていました。実はJR北海道が現在置かれている苦境というのは、ここ米国東北部のガタガタの路面と、ある意味で重なるものがあるからです。 そのJR北海道の特急列車では、ここ数年、発煙や発火の事故が多数発生していることから、11月にはダイヤ改正を行って、特急の最高速度を時速130キロから110キロに減速するという発表がされました。 日の鉄道技術、特に安全対策は世界最高水準であるのに、どうして北海道だけ事故が頻発するので

  • 松井秀喜氏はどうしてヤンキースタジアムを総立ちにさせたのか?

    考えてみれば不思議です。日でのキャリアはともかく、アメリカではヤンキース一筋というわけではありませんでした。ヤンキースの後、エンゼルス、アスレチックス、レイズと複数の球団を渡り歩いて引退したのであって、松井氏は引退の時点ではヤンキースのメンバーではなかったのです。 にもかかわらず、7月28日の日曜日、ニューヨーク・ヤンキースは松井氏と「ワンデイ・コントラクト」つまり一日だけの契約を交わすと共に、ヤンキースタジアムに登場して「引退セレモニー」を行いました。球団は、この日のことを相当に前に決定していたようで、「7月28日に球場に行くと、ヒデキ・マツイの首振り人形がもらえる」というキャンペーンについては、シーズンの相当初期に発表していたのです。 ヤンキースの独占中継局であるYESネットワークによれば、合同記者会見の席上で、ブライアン・キャッシュマンGM(ゼネラルマネジャー)が挨拶をしたのと同時

    im45-50s
    im45-50s 2013/08/02
    "戦力構想のために解雇することがあるし、それでも個人へのリスペクトは残る、それが「契約社会」だということ"
  • 「心債」

    中国のネットに重苦しい雰囲気が広がっている。特に「発言する人たち」は今年国家主席になったばかりの習近平がぶちあげた「チャイナドリーム」とやらがいったいどんなものなのか見定めようとしてきただけに、今はなんともいえない煮えたぎるような怒りに身を任せつつ、それを吹き出させる方向を探しているようにも見える。 7月20日夕刻に北京国際空港第三ターミナルの到着ロビーで起こった手製爆弾事件。ちょうど夏休み、そして週末の夕刻ということで、空港に出迎えにやってきていた人も多かったのではないか。爆弾を作って持ち込んだ男の挙動はそれを引火させる前からそんな人たちの目を捉えており、引火と同時に写真や情報が中国国産マイクロブログ「微博」に飛び交った。 そして、その前に彼が配っていたというビラから、事件発生わずか30分もたたないうちにその身元が山東省に暮らす冀中星だと明らかになった。その速さには驚いたが、首都空港とい

  • 労働者の「圏内大移動」が欧州を救う

    国を捨てて 金融危機で破綻したアイルランドでは毎月3000人が国外に移住している Cathal McNaughton-Reuters 為替レートが国の実力に応じて変動しないユーロ圏では、経済破綻した国だからといって通貨が安くなり、それによって外から投資仕事を呼び寄せられるということがない。だとすれば、人のほうから動くしかない。実際、それが今ヨーロッパで起こっていることだ。 スペインの王立エルカノ研究所の調査によると、30才未満の若者のうち約7割が国外へ移住することを考えていると言う。ポルトガルに至っては、過去2年間ですでに人口の2%が移住している。自国を捨て国外に出る人の数は2008年から倍増しているのだ。 極めつけはアイルランドかもしれない。毎月3000人以上が国外移住するという記録的な大移動が起こっているのだ。これほどの移民が出るのは、19世紀にアイルランドで起こった「ジャガイモ飢饉

  • アベノミクスが得た意外な「援護射撃」

    巨額の借金を抱えている国の政府は、アメリカの大学院生の「発見」に安堵しているかもしれない。 これまでは、ハーバード大学の教授が10年に発表した著名な論文に基づき、政府の債務から金融資産を引いた純債務がGDPの90%を超えたら緊縮財政を発動すべき、というのが政策担当者の常識になってきた。 しかし先週、マサチューセッツ大学アマースト校の大学院生トーマス・ハーンドンがこの論文の間違いを指摘。90%を超えても経済にそれほど深刻な影響はないと反論した。 日政府の純債務はGDPの134%で、財政破綻したギリシャの155%に近く、中国も100%近いという見方もある。こうした国々にとっては、ハーンドンの主張は朗報だ。 間違いを指摘された研究論文は、ハーバード大学のカーメン・ラインハートとケネス・ロゴフ両教授による「政府債務と経済成長」。純債務がGDPの90%を超えると経済成長に深刻な影響を及ぼすと結論付

  • Huluのサービス大放出は限界

    うまみ減 有料版のHuluプラスが登場した裏には業界のさまざまな思惑が渦巻く Scott Eells-Bloomberg/Getty Images 映画テレビ番組が見放題の動画配信サービスHuluは、ユーザーにとってあまりにおいしい(日では月額980円だが、アメリカでは無料)。最近少しうまみが減ったが、今のところまだまだ十分おいしい。 ネット局とケーブル局のおびただしい数の番組を、無料で高解像度で、おまけに好きなときに見られるのだ。テレビよりはるかに魅力がある。ただし問題は、これからHuluがどうサービスを改悪するつもりかということだ。 私はケーブルテレビに加入したことがない。年1000ドルほどの料金がばからしいと思うからだ。しかし仮に加入したとしても、08年にHuluが登場したときに間違いなく解約していただろう。Huluなら放送から1日待ちさえすれば、ケーブル局のほとんどの番組を無料

  • 「フジ子・ヘミング現象」の何が問題なのか?

    ピアニストのフジ子・ヘミング女史のリサイタルを聞く機会がありました。場所は、ニューヨークのリンカーンセンター内のアリス・タリー・ホール。東日大震災のチャリティーという主旨もあって、多くの聴衆が集まっていました。その聴衆ですが、ザッと見渡したところ95%は日人のようで、場内のアナウンスも日語だけであったり、在米日人コミュニティーのイベントということは明らかでした。改めて日でのフジ子人気の凄さを感じさせられました。 リサイタルの内容ですが、一部で言われているような「超スローテンポ+旋律の濃厚な味付け」のユニークな演奏というのではなく、端正でロマンチックな普通の演奏でした。確かにテンポに変化をつける部分はありましたが、一小節内のリズムは良くも悪くもメトロノームを刻むような正確さがあり、節度を崩した演奏という印象はありませんでした。 メカニックにしても解釈にしても最近のピアノ界の様々な「

  • イギリス、今さら暴動のなぜ

    厳戒態勢 暴動の「震源」となったロンドン北部トッテナムの放火された建物の前に立つ警官(8月8日) Peter Macdiarmid/Getty Images 「街頭闘争」は現代の歴史の一部だ。アラブ世界の民衆が反体制運動に立ち上がり、中国の都市ではほぼ日常的に抗議活動が繰り広げられ、中南米の貧困層は鍋やフライパンを手にデモをしている。これらはいずれも社会的・政治的主張を訴えるための手段だ。 最近ではイスラエルの都市テルアビブでも、20万人規模の前代未聞のデモが行われた。彼らが求めているのは政権打倒ではなく、住宅仕事。市の中心部には活動家が集うテント村が出現したが、その「住人」の大半が困窮する中流層というのも前例のない事態だ。 スペインの首都マドリードでは、雇用や社会福祉の現状に怒る市民が平和的なデモを続けている。その一部は現在、EU部があるベルギーのブリュッセルへ向けて1300キロの道

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