さいたま市大宮区で5人が死亡した風俗店火災で、全焼した鉄筋コンクリート3階建てビルは築50年以上がたち、防火区画などが現行の建築基準法に適合しない「既存不適格建築物」で、防火戸で区切られた階段を設けるなどの延焼を防ぐ設備が不十分だった疑いがある。埼玉県警などが出火原因や5人が逃げ遅れた状況を調べている。火災は24日で発生から1週間となる。 【写真】火災のあった風俗店の入るビル 市などによると、ビルは1965年の建築で67年に3階部分を増築した。建築基準法は69年の改正で、延焼を防ぐためビルの階段部分とそれ以外を区画する防火戸の設置などを義務づけた。70年には排煙設備の規定が加わった。今回のビルは建築当時の法律には適合しており違法ではないが、市建築行政課によると、防火戸が設置されていないなど現行法を満たさない可能性があるという。 捜査関係者などによると、ビルの建築当時の図面には、南側と北側に