トルコ最大の都市、イスタンブールは、1600年にわたって、東西の文明が交錯する都市として栄えてきた。町を東西に分けるだけでなく、アジアとヨーロッパを隔ててきたのがボスポラス海峡だ。 ▼海底トンネルで両岸を結ぶ構想は、オスマン帝国時代からあったという。「トルコ国民150年の夢」を実現する工事を受注した大手ゼネコンの大成建設は、2004年から、地元の建設会社とともに工事に取り組んできた。 ▼幅15・3メートル、最長135メートルもの鉄筋コンクリート製のブロックを海底に沈めて、接合していく工法だ。海流が速い上に複雑で、最深部は60メートルにも達するとあって、世界最高水準を誇る日本の技術をもってしても、想像を超える難工事だったらしい。しかも遺跡の宝庫とあって、発見のたびに工事の中断を余儀なくされた。 ▼ようやく完成にこぎつけ、29日に行われた地下鉄の開通式典には、安倍晋三首相の姿もあった。実は、2