討論会は「中学生時代に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を見て、スペースコロニーを実現させたいと思って工学の道に進んだ」という内田氏が、イベント打ち合わせの際に富野氏が漏らした発言を紹介する形でスタートした。それは「ガンダム作中に登場する『スペースコロニー』(宇宙空間に浮かぶ、円筒状の巨大な居住施設)を実現させるのは到底不可能ではないか」という言葉だ。 富野氏は「10年ほど前からの考えだ。最新の金属工学などを鑑みても、まずコロニーの外壁には放射線を防ぐために10mから20mという厚さの鉛を用いらなければならない。また円筒が回転することによって、慣性による擬似的な重力を発生させるがあくまでもこれは疑似。1000年から2000年住み続けられる構造体にはなり得ない」と説明する。 また地球は、驚異的な“静かさ”を誇っているという。自転する地球の表面に立つ人類は、音速の数倍で移動していることになる。