「なんで僕などのところに?」と質問するとEU本部からの推薦だという。私は法律家でもなんでもなく、ただの芸術家、一音楽家に過ぎませんよ、と言うと、「もちろん存じ上げています、あなたに来て頂きたい」という。聴けばなかなか込み入った企画でした。 単に刑務所を見るだけのツアーではないのです。ご存じのようにEUでは現在「死刑」が廃止されています。 その結果導入されている刑事罰、更生施設、あるいは被害者感情の救済といった事柄の現実を見ながら、各国から集まった人々との死刑を巡る対話を考えている、それに参加していただきたい、というのです。 なるほどな、とも思ったのは、こういう対話の類で、日本人できちんと参加できる人はなかなか少ないだろうという察しがつくからです。 まず、大半の法律家は「死刑廃止」の議論をまともに取り合わない傾向があります。 何といっても現行法と違うことですから、解釈の優劣、というより実際に
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