僕が初めて人に恋をしたのは 中学3年生のときだった。 Kさんという女の子に片思いをした。 僕がKさんに思いを寄せるようになったきっかけは 朝のあいさつだった。 中学3年生のとき、僕と隣のクラスのKさんは 登校して朝、廊下で会うと 「おはよう」、「おはよう」 と言いあう関係だったのだ。 あいさつを交わすようになった経緯は どう頑張っても思い出せないのだけれど、 まぁ、経緯なんてどうでもいいやってくらい とにかくその廊下で彼女が言う「おはよう」を 思い出せることが僕にとって大事だ。 ものすごく可愛かったのだ。 Kさんは綺麗な長い黒髪をしていて、 肌は色白で、顔に少しそばかすがあって、 黒目が小さくて、薄い顔立ちで、 もうそれだけで僕の好みど真ん中の容姿だったけれど 「おはよう」と言うとき、 目が線みたいになって、顔がくしゃっとなって、 白い歯が丸見えの笑顔になって、 本当に素敵だったのだ。 一