本日、学位記を受け取られるみなさん、修了おめでとうございます。また、ご家族をはじめ、みなさんをこれまで励まし支えてくださった方々にも、東京大学を代表して、感謝の気持ちと、心よりのお祝いをお伝えしたいと思います。 みなさんは、これから社会と、そして世界と広くいろいろな形で関わり、さまざまに活動することになるでしょう。その時、重要なのは、自分を取り巻く世界がどのような状況にあるかを知ることです。 自分がいる世界の今を計測する、あるいはセンシングするにはどのような方法があるでしょうか。センシングとは、音や光、温度や圧力などの物理量を検出する感知器(センサ)によって対象の情報を取得する技術です。 最初に思いつくのは、人工衛星を使って宇宙から地球を計測する、リモートセンシングかもしれません。最近では毎年1,000基以上の人工衛星が新たに打ち上げられ、今現在、約8,000基の人工衛星が地球を周り続けて