独自のフライヤー技術によってとんかつの低価格化を実現し、年々店舗数を増やし続けてきた「かつや」。コロナ禍でも高いテークアウト比率によって業績を伸ばすことに成功したが、成長の秘訣は低価格だけではない。クーポン戦略もかつやの成長を牽引したようだ。 他社もクーポンを提供しているなか、なぜかつやのクーポンが特に効果を発揮しているのだろうか。さまざまな調査結果を引用しながら、クーポン戦略で成功した秘訣を探ってみた。 天ぷらに失敗し、とんかつで成長 かつやの運営会社であるアークランドサービスホールディングス(HD)の沿革を簡単に紹介する。1993年に設立された同社は、レストラン「サンマルク」や「ドトールコーヒー」にフランチャイズ(FC)として参入しながら、天ぷら系料理のオリジナルブランド店として「てんぷ亭」を展開し始めた。しかし、てんぷ亭はヒットせず後に閉店となる。 一方、98年から展開し始めたとんか