列車内の飲食サービスは、コロナ禍で一時瀕死の状態にまで追い込まれた。車内販売はそもそも人手不足や採算性の問題で終了が相次いでおり、惜しむ声は多かったが、コロナ禍によってその傾向はいっそう強まっていた。 コロナ禍以前から、JR東日本のようにホットコーヒーや駅弁、アイスクリームなどの取り扱いをやめたケースもある。飲み物や菓子に絞り込み、最低限のサービスで仕入れコストを下げるということである。とはいえ、人気のあったホットコーヒーとアイスクリームをなくすという措置には、反発も大きかった。 とくにショックが大きかったのは、車内販売が充実していた私鉄特急でのサービス終了だろう。かつては「走る喫茶室」とも呼ばれ、近年もワゴンサービスが続いていた小田急電鉄の特急ロマンスカーは、コロナ感染拡大を受けて車内販売を中断し、2021年3月にそのままサービス終了となってしまった。東武鉄道の特急も、同年8月末をもって
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