クワシオコアやマラスムスに代表される飢餓は、遠い国の病気のように思われるが、院内でも担がん、神経性食思不振症患者等に見受けられる。このような、一種の飢餓状態にある低栄養患者が、栄養を急に摂取することで水、電解質分布の異常を引き起こす病態を総称してRefeeding症候群といい、心停止を含む重篤な致命的合併症を起こすことがあり注意が必要である。 例えば、受験のストレスを契機に神経性食思不振症で入院した10代女性の場合、体重26kg、身長160cm(Body mass index (BMI) 10kg/m2)であったが、入院後、経鼻胃管から食事(500kcal)を投与すると数時間後に意識が消失し、血糖値や血清リン値が大幅に低下、数日して心機能も高度に低下し、集中治療が2週間必要であった。 Refeeding症候群発生の高リスク因子として、低BMI (<16)や血清リン、カリウム、マグネシウム、