蒸し暑い上海の夏の食卓に清涼感を与えてくれる「糟貨」。香糟(黄酒の絞りかす)と黄酒や塩砂糖、香辛料をあわせて作った液体調味料の「糟滷」に、肉やら魚やら枝豆やらを浸けた冷菜です。 夏になると上海人は有名熟食店(惣菜屋)に糟貨を求め、行列をつくります。 糟滷さえあれば加熱した食材を浸けるだけで、とってもお手軽に何品も作れるので、上海のスーパーでは出来合いの糟滷が瓶入りや袋入りで売られてます。 日本の中華食材店にも大抵瓶入りが置かれてて、1瓶300円足らずととってもお安いので、糟滷をわざわざ手作りしようとかいうバカなことを考える人はあんまりいないと思います。 でも、市販の糟滷って結構化学調味料が利いてるんですよね。 だから糟香をしっかり利かせようと思って長く浸けると、みんな同じ味になっちゃうのです。 それがどうも気に入らなくて、ずっと自作してみたいと思ってました。 ネックは主原料の香糟でした。