阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは21日、建て替え工事中の阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)について、2012年春の全面開業を断念する方針を固めたことを明らかにした。 工事区域の地下に過去の建造物がある影響で工事が難航し、予定通りに完了しないことが確定的になったためだ。H2Oは建設業者と工事スケジュールの見直しを進めており、12年度中の全面開業を目指している。開業が1年程度ずれ込む可能性もあり、大阪市内で相次ぐ百貨店の開業・増床競争で出遅れるのは避けられない。 阪急梅田本店の建て替え工事は当初、11年春の全面開業を目指し、05年8月に着工した。旧梅田本店建設時の設計図が保存されておらず、地下の構造などが不明なことから、これまでにも2度、全面開業の延期を発表。2度目を発表した08年5月に、12年春の開業を表明していた。