「脱力系」「自然体」と言われる、その独特の空気感に定評のある劇団「五反田団」主宰で作家の前田司郎氏。2009年に小説『夏の水の半魚人』(扶桑社)で三島由紀夫賞を獲得するなど、近年、劇作家としてだけでなく小説家としても高く評価されている。そんな彼の最新刊『ガムの起源 ~お姉さんとコロンタン』(光文社)が上梓された。辛酸なめ子氏による奇抜な装丁も話題の本書だが、その摩訶不思議な前田ワールドの原点に迫る! ――『ガムの起源』は、お姉さんと謎の生物・コロンタンが「ゴルフのはじめて」や「地獄のはじめて」、「ガムのはじめて」などさまざまなモノの起源を探すために時空を駆けめぐるお話ですが、どのようなコンセプトで書かれたんですか? 「光文社のPR誌『本が好き!』と『小説宝石』で連載していたものなんですが、当初は『まんがはじめて物語』(TBS系)の小説版を書こうと思っていたんです。1話完結で毎回いろいろなモ