東京都心のオフィス街で、弁当の路上販売が転機を迎えている。昼時には行列ができるほど人気だが、食中毒などを心配する都が屋内での販売に切り替えるよう規制を見直す方針を打ち出したためだ。消費増税も重なり、路上のワンコイン弁当はどこへ行くのか。 東京・日本橋の企業が軒を連ねる路上に19日昼、弁当を積み上げた台車5台が2メートルほどの間隔で並び、近くの会社員らが次々と買い求めた。 「から揚げ」「サバの塩焼き」……。大半が税込み500円の「ワンコイン弁当」。ほぼ毎日買っているという会社員の男性(51)は「近くに安い飲食店はほとんどない。並ばずに買えるのもありがたい」と話す。 販売員の倉本健嗣さん(25)は、目黒区の弁当店で明け方に作った弁当をワゴン車で運び、衣装ケースの中に並べて売っている。500円玉1枚で買える値頃感も受けて定着。多いときは30分ほどで80食が売れる。10年以上販売を続けている市原猛