◇大阪高裁判決は死刑破棄 母「到底受け入れられない」 幼い命を理不尽に奪った被告に対し、司法が出した結論は無期懲役だった。神戸市長田区の小1女児殺害事件で、裁判員裁判が選択した死刑を破棄した10日の大阪高裁判決。「判決は到底受け入れられない」。女児(当時6歳)の母親(32)は談話を出し、事件の計画性を重視する先例を踏襲した判決を厳しく批判した。 午前11時過ぎ、高裁201号法廷。君野康弘被告(50)は、オレンジ色のカーディガンに灰色のスエットズボン姿で入廷した。 「被告人を無期懲役とする」。樋口裕晃裁判長が主文を読み上げると、君野被告は証言台の前で直立したままだった。女児の母親は被告や傍聴席との間に仕切りが設けられた席に座り、様子は分からなかった。判決の瞬間、傍聴席は一瞬ざわつき、ため息が漏れた。 母親は控訴審でも被害者参加制度を利用。裁判官に遺族の無念さを述べ、「被告は死をもって