今日は偶然にも同じ内容の問い合わせが重なりました。 「我以外皆我師」という言葉の出典は何か?というものです。 この言葉に関するお問い合わせは頻繁にあるので、上記の問いを含め、よくお尋ねいただくことをまとめてここに書いてみます。 「我以外皆我師」という言葉は、吉川英治の人生哲学を反映した座右の銘であり、吉川英治の造語であると思われると、前に書いたことがあります。 吉川英治の造語で、頻繁に揮毫し、口にもしている言葉ですので、通常の意味での“出典”というのはないようなものですが、この言葉が出てくる作品ということであれば、「新書太閤記」が挙げられます。 現在の全11巻の文庫(講談社刊 吉川英治歴史時代文庫)ならば、第10巻に『大坂築城』という章があります。 そこにこのような箇所があります。 秀吉は、卑賤に生れ、逆境に育ち、特に学問する時とか教養に暮らす年時などは持たなかったために、常に、接する者か