高校3年の夏休み明け、不思議なレポートの課題が出されました。 『夏の甲子園での星稜高校・松井秀喜選手の5打席連続敬遠をどう思うか?』 その年の夏の甲子園大会では、怪物スラッガーとして注目を集めていた松井選手が5打席連続で敬遠されるという事件が起き、世の中が騒然となっていました。今思うと、担任の先生はものすごい野球好きだったんですね。プロではなく、アマチュアの試合でああいうことが起こったことについて、同い年のお前たちはどうとらえたんだ? というわけです。 野球に全く興味のない女子たちが「ケーエンてなに?」とあっけにとられる中、僕は相手投手の立場に立ち「敬遠が勝利のきっかけになったというのは嫌なのではないか。たとえ負けても相手の4番と勝負したほうが、部活動の締めくくりとして記念になったんじゃないか」といったことを書いたのを覚えています。同時に、まだ何者でもなかった僕は、同い年の高校生の、部活の