一つの問題に対して,対策が必要な原因が多数見つかったとき,そのすべてには手を打てないことがある。そのときは,対策を打つべき原因の優先順位を付けなければならない。その際に不可欠なのが「量的インパクトを考える」視点である。優先順位を付けるには,成果などの「量的インパクト」を加味する必要があるからだ。 そこで,ここでは量的インパクトを見積もるためのチャートを二つ紹介する。 (6)パレート図 QC七つ道具の一つとして知られている「パレート図」。量的インパクトを見積もるチャートの一つ目は,これである。 もともとは「不良原因」を分析するために考えられたチャートで,品質不良の原因を層別した棒グラフを値の大きい順に並べ,さらにそこに重ねて累積百分率を折れ線グラフで示したものだ。 対策を打つべき原因の優先順位を付ける場合にどう使うのか。あるITの現場では「プロジェクトが遅延する」という問題を改善するため,次