「やられたらやり返す、倍返しだ」 40%に近い、驚異的な視聴率を獲得した、テレビドラマ「半沢直樹」の主人公が言い放つ「倍返し」。 いまや、流行語となって、人々の間に拡まっている。 ・ わかりやすい ・ 短くて核心をつく ・ 響きがよい など、流行語の条件をみたしている上に、超人気ドラマでのここ一番のシーンで使われたので、またたく間に浸透してしまったのだ。 週刊誌や新聞の見出しにも再三登場、倍返しは、「十倍返し」「百倍返し」へとエスカレートしていった。 私は、この「倍返し」ほど、危険な言葉はないと思う。 「やられる」即ち、理不尽な仕打ちをされる。それを「やり返す」つまり、仕返しをして、相手をへこます。 「やられたらやり返す」、その通りだとしても、現状はどうだろうか。 弱い者が強い者から不当な仕打ちをされた場合、そのままにしないで 「甘くみるなよ」 「なめんじゃねえぞ」 などと、やり返す。しか