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ハンナ・アーレントの提唱した「悪の凡庸さ」は、20世紀の政治哲学を語るうえで大変重要なものです。人類史上でも類を見ない悪事は、それに見合う怪物が成したのではない、思考停止し己の義務を淡々とこなすだけの小役人的行動の帰結として起こったとするこの論考は、当時衝撃を持って受け止められました。凡庸な人間がそうした悪になり得るということは、人間は誰でも思考を放棄すればアイヒマンのようなことをしでかすかもしれない。その可能性を考えるのは怖い。なので人はその可能性に眼をつぶり思考停止してしまいたくなる。しかし「悪の凡庸さ」が突きつけるのは、人間と非人間と分け隔てるのは思考することであるとします。 映画「ハンナ・アーレント」は、アーレントがアイヒマン裁判を膨張し、「エルサレムのアイヒマン」を発表し、ユダヤ人の友人やコミュニティから非難されても、思考を止めずに主張を続ける彼女の姿を通じて、思考することの重要
2014-01-04 〈ドゥルーズの麻薬論〉――来たるべき薬理分析 狂人の二つの体制 1975-1982 作者: G・ドゥルーズ,宇野邦一 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2004/05/21 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (11件) を見る [時間がなかったため簡易的なレジュメです] ―― ■ドゥルーズ「麻薬に関する二つの問題」(『狂人の二つの体制 1975-1982』所収) ◆二つの問題 ・ドゥルーズが論点とするのは「麻薬固有の因果性」と「麻薬における「転換期」」の二点 1. 「麻薬固有の因果性」とその探求 ・「集合としての麻薬」の輪郭、麻薬総体の内包-強度→麻薬の本質。ドゥルーズは「麻薬の種類の区別は「二次的」である」とし、その共通性を剔抉しようとする。ミルプラにおいてそれは時空間認知の変容、速度、分子的なものの知覚、また存立平面的なも
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