政府は東電によるリストラを条件に、当面必要となる資金を支援する。東電の資金繰りを支援することで福島第一原子力発電所事故の損害賠償を進める。 国が支援機構に渡した交付国債を現金化する約8900億円と、原子力損害賠償法に基づき国が支払う補償金1200億円の合計1兆100億円が東電に支払われる。 緊急計画によると、東電の2012年3月期決算(単体)は、原発の稼働停止や火力発電の燃料費の増加で5763億円の税引き後赤字となる見通し。政府の資金支援により純資産は7088億円となり、東電は債務超過を回避できる。 東電は支援の前提として、10年間で2兆5000億円以上の経費削減や退職者も含めた企業年金の給付削減などのリストラ策に取り組む。2011年度は人件費など2374億円のコストを削減し、株式や不動産、関係会社などの資産売却で3484億円を確保する。当面は株式配当も行わない。