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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (3)

  • 『科学的思考とは何だろうか-ものつくりの視点から』瀬戸一夫(ちくま新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 このごろ気になっていることの一つは、占いの流行である。科学が発展し広く浸透してきている現代に、科学とは相容れないように見える占いの流行は、私には不思議である。我が家でも家族が朝のテレビで星占いなどの番組を見ながら、今日は運がいいとか、ラッキーカラーは何だとか話題にしている。「それは誰が決めていると思う?」と聞いたりすると、お父さんは夢がないなどと反論されて喧嘩になる。 この私の疑問を解くヒントになるかもしれないと感じるものの一つが、最近読んだこのである。このでは、相対性理論や量子力学などの科学史上の大転換をもたらした発見を対象として、私などが常識だと思っていた見方とは少し異なる見方を展開している。 たとえば、アインシュタインの相対性理論は、それまで正しいと思われていたニュートン力学が、実は速度が光速と比べて小さい場合に成り立つ近似であって、速度がもっと速い場合には

    『科学的思考とは何だろうか-ものつくりの視点から』瀬戸一夫(ちくま新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『古楽とは何か』(音楽之友社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 音楽芸術は変化する。聴衆の好みも、演奏家が訴えようとすることも、時代とともに変わる。その中で尺度となるのが「作曲家はどう感じていたのだろう」「創作当時の音楽環境はどうだったのか」という、オーセンティシティーに関する考察である。今世紀はこれがより重視されるようになった時代といえよう。 たとえば一世を風靡したカラヤン。あるいはリヒターとミュンヘン・バッハ。当時(といってもそれほど昔のことではない!)人々はこれらが最高の音楽表現だともてはやし、多くの人がその真正性をなかば盲目的に信じ、崇拝したものだ。しかし今となってあのスタイルで演奏しようとする指揮者はいない。 バロックや古典派の時代の演奏がどのようなものだったかを知るのは困難だ。音源資料がほぼ皆無なのがその原因である。「音にしてなんぼ」の音楽であるにもかかわらず、一番肝心なものが欠落しているのだ。 書はそうした「大昔の

  • 『美学への招待』佐々木健一(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「美学とは何か」「何をどう扱う学問なのか」「美学を知らなくては藝術は論じられないのか」…。わからないことばかりである。美学の学者なんて、霞をべて生きている仙人のようなものではないか、と思いたくなる。 私のように音楽を専門とし、美学からそれほど遠くない世界にいる人間でさえ、このように情けない状態なのだ。演奏や感情表出の技術には詳しくても、藝術体への考察に関しては今ひとつ自信がない。まして、一般の方が持たれるイメージたるや「○!×?〜△」といった象形文字に近いのではないだろうか。それでも美学という概念に漠然とした興味をお持ちの方がおられるなら、ぜひお奨めしたい一冊だ。 読破した、といってすぐさま世界観が変わるわけではない。「へえぇ、こういうことが学問になるんだ。世の中、いろいろだねえ」という感想で、まったく構わない。それでも「“考える葦”である人間が思考し、構築してい

    『美学への招待』佐々木健一(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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