ウクライナ危機に関してソーシャルメディアでは真偽不明の情報が飛び交っている。このような状況では、メディア・リテラシーが大切だという話になりがちだ。 ここで紹介する原稿は、ある媒体向けに書いたが、メディア・リテラシーやクリティカルシンキング(批判的思考)を直接的に否定するのは難しい…との理由で修正を求められたため未掲載となったものだ。メディア・リテラシーがあれば正しくニュースや情報を読み解けるという考えこそがフェイクニュースの危険を拡大することになる… 「泥だらけの川から飲める水を取り出せ」そう言われたらどうするか。汚染されたインターネット空間で、フェイクニュースを見分けることはそれほどの困難さを伴う。それどころか、フェイクニュースに対抗するために安易にメディア・リテラシーを扱うことは、現状ではむしろ逆効果になる可能性がある。 汚染を広げる構造とミドルメディア 間違ったニュースで世界が混乱す