【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥っている米自動車大手クライスラーは30日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請をニューヨーク市の連邦裁判所に行う。破綻(たん)回避のための債務削減をめぐり米財務省が29日、債権者団と最終調整を続けたものの、交渉が失敗に終わったため。イタリア大手のフィアットとは資本提携で最終合意し、早期再建を目指す。 ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が破綻するのは初めて。米自動車産業は歴史的転換点を迎えた。 オバマ大統領は同日正午(日本時間5月1日午前1時)に声明を発表。政府は破産法適用申請後も運転資金の支援を継続する。大幅な合理化によって部品メーカーや販売店に連鎖破綻が及ぶ可能性があり、景気後退の長期化が予想される米経済への影響も懸念される。 米財務省は29日、クライスラーの債務約69億ドル(約6700億円)をめぐり、約20億ドルまで削減する当