ドイツサッカー誌的フィールド 皇帝ベッケンバウアーが躍動した70年代から今日に至るまで、長く欧州サッカー界の先頭集団に身を置き続けてきたドイツ。ここでは、今ドイツ国内で注目されているトピックスを気鋭の現地ジャーナリストが新聞・雑誌などからピックアップし、独自に背景や争点を論説する。 今回は、特定の思想・政党とクラブとの向き合い方を考える。 「AfD(ドイツのための選択肢)に投票する人間は、このクラブの会員にはなれない」 フランクフルトのペーター・フィッシャー会長が昨年12月に発した一言が、大きな反響を呼んだ。多くの拍手が送られた一方で、違和感を覚えたり憤る人もいた。 2013年に結成された右派政党AfDは、昨年9月の連邦議会選挙で得票率12.6%を記録して初めて議席を獲得した。ただ、どちらかというと保守的な『フランクフルター・アルゲマイネ』紙でさえ「AfDによる、人間を蔑視するスローガンを