1990年イタリアW杯以来、実に28年ぶりとなる準決勝進出を果たしたイングランド代表。その躍進の要因の一つに、セットプレーがある。特に話題となっているのが、チームを率いるギャレス・サウスゲイト監督が、わざわざ米国まで出向きバスケットボールの戦術を参考にしたというエピソードだ。 今や母国では時の人となった指揮官はいかにしてバスケの戦術をセットプレーに組み込み、果たしてどれほど効果的なのか。両競技の特性を比較しながら考察する。 総得点11のうち8点がセットプレー(3点はPK)、5点がヘディング――今大会のイングランド代表の得点の内訳だ。52年ぶりの栄冠まであと2つ、というところまで来た彼らの得点方法の偏りはとても面白いけれど、あるところでこの偏りがさらに興味深くなる話を耳にした。「イングランド代表が、セットプレーにおいてバスケットボールの戦術を参考としている」という話だ。 「バスケットボール化